友人が、抱えている大きな卵をわたしに見せている。彼女はそれを何とか孵らせようと試みたが、全く兆候がないのでそれはきっとすでに死んでいるに違いないと云った。そして、彼女は徐にその卵を割った。 割れた卵の中身は巨大な鶏卵のようだった。それには黒い瞳さえついていて瞬きをし、こちらを見ていた。透き通った白みは表面を震わせて、まだ生きていることを訴えているようだった。なんとかする方法がないかと友人に問うが、友人はただわたしの顔を見て笑うだけだ。(1/19/00)