透明な林檎

そこに祖母が仰向けで横たわっていた。わたしは薄く切った林檎を並べた皿をテーブルに置く。スライスされた林檎はアロエゲルのように透き通っている。飾りに残した皮だけが赤い。いつの間にか、彼女の顔から皺が消えていたが、代わりに(長靴下の)ピッピほどのそばかすがあった。彼女は笑顔で指をわたしの方へ向け、宙に光の円を描いた。(5/13/01)


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